これら2つの協同組合はどちらも資金よりも、理念や人材に支えられて成長してきたという側面が強い組合です。両協同組合はエミリア・ロマーニャ州とマルケ州にまたがるアペニン山脈をルーツとしています。
再生する自然を象徴する蜂、田畑の荒廃や作物の品質劣化への解決策としての有機農業。地球に対する重大な責任という考え方、すなわち大地は生きた肥沃な有機体であり、人為的に操作すべきありふれた基層ではないという考え方です。すなわち、オーガニックを食物や栄養物を得るための農耕法であり環境活動とみなしています。ここで言う栄養物とは、体によいと思われる正しく適切な栄養物です。
当事者の一人であるジーノ・ジロロモーニはイタリアで最初にオーガニックが必要不可欠な栽培法である、また命に対する賛歌であると粘り強く主張し続けた人物です。そして彼はそうした理由から、アルチェネロ農業協同組合を創設しました。
もう一方の当事者であるコナピはボローニャ近郊ヴァッレ・デッリディチェの数人の若い養蜂家によって結成された協同組合であり、長年にわたり養蜂分野においてイタリア国内全域で優れた説得力のある成功事例を成し遂げてきました。
殺虫剤や除草剤に含まれる強烈な化学物質から蜂を保護することと並行して、ハチミツがもつ他に類を見ない生物多様性(言い換えれば「花の生物多様性」)についても明らかにしてきました。
両者の出会いは1980年代であり、1999年に統合し、さらに数年後には生産部門、販売部門双方の意見を反映させて新たな組織改編が行われました。
アルチェネロの物語はたくさんの「偉人たち」の物語であり、彼らは常に大地を解放し、大地の声を聞き、再スタートし続けてきました。 アルチェネロは当時、市場で潮流に逆らう顕著な意見をもつ存在となっていました。アルチェネロのロゴマークはそれを如実に物語っています。名前のアルチェネロは黒いエルク、スーオグララ・インディアンのシャーマンの名前であり、反対方向に馬を駆る姿にはあらゆる限界を超えてさらに先へ先へと突き進むというメッセージが込められ、常に実現可能な新たなビジョンを訴えているのです。
そうした理由から、私達は生物多様性を守り、現在生じつつある環境に対する責任を果たすことを通じて、有毒物質から大地を解放するために当時から闘ってきました。つまり環境に対する責任は決して小さくはないのです。アルチェネロの組合員農家はまさにこうした変化の主役であり、アルチェネロの食品の一番の代弁者なのです。
私達はフードサプライチェーンを構築することを決意しました。つまり正真正銘のオーガニックを実現するために、田畑と人を選定し、大地から加工、すべての原料に至るまでのプロジェクト管理を行うことを通じて、フードサプライチェーンを構築することを決意したのです。本物の食材を提供し、大切な健康を守るためでもありました。
私達は常に刷新することを選択してきました。アルチェネロ製品には添加物は一切含まれていません。添加物は食材ではないからです。私達は自分たちが見てみたい、その中で生きてみたいと思う変化に参画するために、また私達自身がそうした変化、変革そのものになるために今後も努力していく所存です。
現在、当組合はイタリア国内で有機農業に転換した農地を6,000ヘクタール以上運営し、今なお成長を続けている開かれた、果敢に挑戦する団体です。1,000名を超えるイタリアの農業者と養蜂家が参加しており、12(まもなく16に増加)の主要な協同組合連合に大別されます。
彼らの他にも南米の小規模農業者14,000名が参加しており、原材料を扱う当組合の加工業者と共に、また今ではアルチェネロ所属となっている料理人、講演者、販売員と共に、日々限界を超えてさらに先へ先へと馬を走らせています。