マリア・デジアンテ
大地への愛に基づく有機農業
グラヴィーナ・ディ・プーリア ― マリア・デジアンテ(37歳)は現在、イタリア産有機小麦、古代穀物、古代小麦を栽培していますが、その中には希少種のセナトーレ・カッペッリ小麦も含まれます。背丈が1.5メートルもあるため、他の品種よりも栽培が難しく、その素晴らしい穂が特徴的なセナトーレ・カッペッリ小麦は、気象条件の影響を受けやすい品種です。しかしその一方で、根が長いおかげで必要な栄養分を大地から吸い上げることができて小麦の栄養価が高まるため、この品種からはさまざまな品質のパスタが生産されています。
マリア・デジアンテは薬学部に進学しましたが、家族の不幸があり大学を中途退学。大地に身を捧げることを決意し、22歳で農業経営者になりました。今では単に家族経営の農場を受け継ぎ経営するだけではなく、2005年に全農地を有機栽培に転換するプロセスを開始しました。2年もの長い経過期間を費やすエシカル(倫理的・道徳的)かつ持続可能なチャレンジです。今の夢はまず農業経営者の間に、その後は次の世代にオーガニック文化を広めることです。
製品:セナトーレ・カッペッリ種の有機デュラム小麦
「私達の選択は生き方の選択、エシカルな選択でした。大地を心から愛していなければ、大地の価値を正当に評価することはできません。この仕事に従事している私達全員が未来の新たな世代に最善の方法で食べ物を与え、大地への配慮を彼らに教える義務を負っているのです」
マリア・デジアンテ「幾多の変革のルーツ」(2014年ポンテ・アッレ・グラツィエ出版社刊)より引用。